趣味や資格取得でピアノを始めたい
電子ピアノで十分かな?
アコースティックピアノと電子ピアノの違いって?
ピアノを始めるとなったら、どんなピアノを用意しますか?どんなピアノを弾きたいですか?
ピアノを始める経緯、目指す目標、かけられる予算は人それぞれです。
購入するピアノの選定に迷われる方も多いのではないでしょうか。
安い買い物ではありませんから、なおさら慎重になりますよね。
本記事では、ピアノ暦10年以上の筆者がピアノの種類と特徴、購入に必要な予算を解説します。
それぞれの特徴を知れば、あなたに合ったピアノを明確な基準をもって選ぶことができます。
後悔なくピアノを選んで、スッキリとした気持ちでピアノライフを始めましょう!
- 安く済ませたい(3万~20万円くらい)なら電子ピアノ
- 楽器対策がされていない集合住宅なら電子ピアノ
- 予算がある(40万円~数百万)ならアコースティックピアノ
- 楽器対策がされている集合住宅や戸建てならアコースティックピアノ
- 比較表はこちら
アコースティックピアノ
アコースティックピアノとは、スピーカーがついていない、いわゆる生のピアノです。
手で鍵盤を押下すると、鍵盤の動きが様々な部品を介してハンマーの動作に繋がり、ハンマーが弦を叩くことで音が鳴ります。
叩かれた弦以外も鳴った音に共鳴し振動するため、鍵盤を1つ叩くだけでも複雑で奥深い音が鳴ります。
主にグランドピアノとアップライトピアノがあります。
下の動画は、グランドピアノの仕組みを説明したものです。
アコースティックピアノは電子ピアノとは違い、購入後は調律が必要です。
専門的な知識と道具が必要なため、素人が自力でピアノの調律をするのはまず不可能です。
楽器店や調律事務所に依頼したり、ピアノ教室などで調律師を紹介してもらいましょう。
ピアノの弦は時間の経過や演奏でハンマーに叩かれることにより緩み、音程が狂っていきます。
そのため弦を貼りなおしたり、多数ある様々な部品のメンテナンスをする必要があるのです。
アコースティックピアノの購入費用に比べれば大したコストではありませんが、忘れずに。
価格は10,000円~20,000円ほど。
1年に1回くらいを目安に行います。
(新品の2年間ほどは張力が安定しないので半年に1回くらいが良い)
グランドピアノ
コンサートホールなどにも置かれる、大型のピアノです。ピアノといえばこちらではありませんか?。
弦やハンマーなどが水平方向に設置されており、奥行きがあります(1.5~3mくらい)。
高さは100cm前後です。
大きい(=弦が長い)ピアノほど響きが良くなります。
音は多方向へ豊かに響き、細やかな表現が可能です。
鍵盤を離した後のハンマーは重力方向にスムーズに戻るため、素早い連打をしても音が鳴ります。
グランドピアノ特有の響きの良さは、広くて天井が高い部屋に置いたほうが活きます。
価格は100万円~400万円程が目安です。
- 金銭に余裕がある人
- 防音対策が十分な広い部屋を持っている人
- 音楽大学受験を考えている人
- 本格的にピアノを極めたい人
- 豊かで繊細なピアノの音色を楽しみたい人
アップライトピアノ
こちらも、学校や公共施設の音楽室などで時々見るアコースティックピアノです。
グランドピアノよりも奥行きがコンパクトで安価です。
サイズは奥行きが60~70cm、高さが120~130cmです。
コンパクトにしたことで、グランドピアノの音や弾き心地からは見劣りするのが現実。
練習用・趣味用のピアノという見方もありますが、それでも生のピアノとしての魅力は十分にあります。
弦やハンマーなどが垂直方向に設置されているため縦長の形状になっています。
音はピアノの後方(演奏者が顔を向ける方向)に響きます。
ハンマーは重力ではなくばねの力で戻しているため、素早く同じ鍵盤を連打していると鍵盤を再度叩くまでにハンマーが戻りきらず、音が抜けてしまう場合があります。
価格は40万~120万円程が目安です。
- 金銭にある程度の余裕がある人
- 防音対策はできるが部屋はあまり広くない人
- 趣味や練習用としてピアノが欲しい人
- 豊かで繊細なピアノの音色を楽しみたい人
サイレントピアノ
サイレントピアノとは、消音装置を付けヘッドホンなどから電子音を奏でるアコースティックピアノのことです。
大きく分けて、以下の2種類があります。
- 既成のグランドピアノやアップライトピアノに消音装置を後付けするタイプ
- 最初からピアノと消音装置がセットで販売されているタイプ
アコースティックピアノを楽しみたいけど、夜間などは音を出さずに練習したい人にオススメです。
騒音対策については、以下の記事でもう少し詳しく説明しています。
- 金銭に余裕がある人
- 音を出したくない時があるが、生の音も楽しみたい人
電子ピアノ
鍵盤を叩くとセンサーが反応してスピーカーやヘッドホンから電子音が鳴るピアノです。
音量調節したり、ヘッドホンを繋いで周囲に音が出ないようにすることで騒音トラブルの心配を減らすことができます。
アップライトピアノよりもさらにコンパクトかつ軽量で、中には収納や持ち運びが容易なものもあります。
モデルによって録音機能やメトロノーム機能、様々な楽器の音色での演奏など、電子ならではの機能を備えています。
近年はそのクオリティも上がっていますが、アコースティックピアノとは音の広がり方、鍵盤をタッチした時の感触には違いが出ます。
価格は5万円~50万円程が目安です。
調律は必要ありませんが、家電でもあるため寿命は10~15年くらいと考えたほうがよいでしょう。
- 予算が少なめの人
- 部屋が広くない人
- マンション住みなど周囲に音を漏らしたくない人
- 趣味や練習用としてピアノが欲しい人
ハイブリッドピアノ
アコースティックと電子のいいとこどりのハイブリッドです。
機構はアコースティックピアノ、音や機能は電子ピアノというもの。
鍵盤をタッチした時の感触はアコースティックピアノでありながら、ヘッドホンなどを使用して周囲への音漏れや時間帯を気にせず演奏することができます。
形状はグランドピアノタイプとアップライトピアノタイプが存在します。
価格は40万~120万円程が目安です。
調律は必要ありませんが、電子部品が搭載されているので10~15年で寿命を迎える可能性がある点に注意です。
電子ピアノかハイブリッドピアノの購入を考えるときに、意外にも無視できない要素。
それがピアノのタッチ感です。
アコースティックピアノは鍵盤への触れ方ひとつで音の鳴り方が大きく変わります。
なので、発表会や音楽教室などでアコースティックピアノを弾いた時、感触にギャップがあると弾きづらくなります。
私はそれを知らずに電子ピアノを選び、購入しました。
タッチ感はそれなりになるため、グランドピアノを弾くことを想定した指の動かし方、力の使い方はピアノ教室のレッスン中にしか練習することができませんでした。
そうなると楽譜どおりに鍵盤を叩くことはできますが、細かい表現力の向上には時間を要してしまいます。
なるべく、アコースティックピアノに近いタッチ感のピアノを購入することをオススメします。
- 予算がある程度ある人
- ピアノののタッチ感を重視し、表現力を身に着けたい人
- マンション住みなどで周囲に音を漏らしたくない人
- 趣味や練習用としてピアノが欲しい人
まとめ
本記事ではピアノの種類についてまとめました。
それぞれのピアノの特徴
表にまとめると以下のようになります。
アコースティックピアノ | 電子ピアノ | ハイブリッドピアノ | |||
---|---|---|---|---|---|
グランドピアノ | アップライトピアノ | サイレントピアノ | |||
仕組み | 弦とハンマー (連打しやすい) | 弦とハンマー (連打しづらい) | 弦とハンマー/スピーカー (切替) | スピーカー (鍵盤の動きを感知) | スピーカー (ハンマーの動きを感知) |
音 | 豊かで幅広い | 多少こもるが豊か | 元のピアノの音色(通常) 録音・合成音(消音モード) | 生のピアノの録音・合成音 | 生のピアノの録音・合成音 |
音量調整 | 不可能 | 不可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
打鍵音 | 大 | 大 | 大 | 中 | 大 |
横幅(cm) | 150~160 | 150~160 | 150~160 | 130~150 | 150~160 |
奥行(cm) | 150~300 | 60~70 | 60~300 | 20~50 | 60~300 |
高さ(cm) | 100 | 120~130 | 100~130 | 80~100(脚取り外し時8~20) | 100~130 |
重量(kg) | 250~500 | 200~300 | 200~500 | 40~80(脚取り外し時10~15) | 200~500 |
調律 | 必要 | 必要 | 必要 | 不要 | 不要 |
寿命(年) | 30~60 | 30~60 | 30~60(ピアノ本体) 10~15(消音ユニット) | 10~15 | 10~15 |
金額(万円) | 100~400 | 40~120 | 100~250(消音ユニット付ピアノ) 10~20(後付け消音ユニットのみ) | 5~50 | 40~120 |
どのピアノがどんな人にオススメ?
ピアノの種類 | オススメの人 |
---|---|
グランドピアノ | ・金銭に余裕がある人 ・防音対策が十分な広い部屋を持っている人 ・音楽大学受験を考えている人 ・本格的にピアノを極めたい人 ・豊かで繊細なピアノの音色を楽しみたい人 |
アップライトピアノ | ・金銭にある程度余裕がある人 ・防音対策はできるが部屋はあまり広くない人 ・趣味や練習用としてピアノが欲しい人 ・豊かで繊細なピアノの音色を楽しみたい人 |
サイレントピアノ | ・金銭に余裕がある人 ・夜など音を漏らしたくない時があるが、生の音も楽しみたい人 |
電子ピアノ | ・予算が少なめの人 ・部屋が広くない人 ・マンション住みなどで周囲に音を漏らしたくない人 ・趣味や練習用としてピアノが欲しい人 |
ハイブリッドピアノ | ・予算がある程度ある人 ・ピアノのタッチ感を重視し、表現力を身に着けたい人 ・マンション住みなどで周囲に音を漏らしたくない人 ・趣味や練習用としてピアノが欲しい人 |
いかがでしたか?
ピアノ購入時は、まず最初にピアノの種類を絞りましょう。
店頭へ足を運んでそれぞれの違いを比べてみるのもいいかもしれませんね。